

梅を味付けして乾燥させただけのシンプルさ。なのに、甘さとすっぱさのバランスが絶妙な「乾燥梅干し」ほど、沖縄の子供にとって身近なお菓子はない。駄菓子屋で1個10円と手軽に買えるので、子供たちはいろいろな食べ方を編み出した。コーラの瓶に2、3個入れておき、飲み干した後にふやけた梅干しを味わう「コーラ梅」。ジュースをフラッペ状にした「シャーベット」にも、よく入れて食べた。この手の話は枚挙にいとまがない。ブルーシールのアイスクリームに入れて食べた「乾燥梅入りバニラアイス」なんていうのもある。よくそんなもの飲み食いしてたなあ、とオトナになった今、思う。乾燥梅干しは今でも、コンビニやスーパーで1袋200円くらいで買える。現代の子供たちもきっと、玉石混交のドリンクをいろいろ創作していることだろう。そこで、オトナにしか味わえない飲み物を作ろうと思いついた。そうだ、乾燥梅干しを酒に漬けるのはどうだろう。前人未到の領域なのでやや不安もあるが、なに、酒も梅干しも好きなので大丈夫だろう。我が家にあった各種アルコール飲料に、片っ端から乾燥梅干しを入れて飲んでみた。まずはビール。ゴクン。なぜか炭酸が抜けてしまっている。ドロリとした飲み口である。ビールは時間がたつと甘さが出てくるというが、これは3年くらい熟成させた感じだ。追い打ちをかけて、鼻腔をすっぱさが襲う。私はビールなしでは生きていけないほどのビール党だが、どんなにのどが渇いていても、これは二度と飲みたくない。ただ、沈んだ梅干し自体は、苦さが加わったせいか甘みを増し、しっとりしてなかなかオツな味だ。お次はウイスキー。うーん、芳醇さがすっかり消えている。ウイスキーのキックの効いた味が、なんだか寝ぼけてしまった。酒の香りか強すぎて、梅のさわやかさも失われた。お互いのいいところを完全に殺し合っている。漬かった梅も、強いアルコールを含んでしまい、舌をピリピリと刺してくる。では、日本酒。和風同士なので期待できそうだ。飲んでみた。ひな祭りの甘酒のようというか、せきどめシロップのような液体が、ロの中をもったりと駆け巡る。コメと梅から「ホカホカご飯と梅干し」を連想したが、なぜたか生臭い。甘いお酒が苦手なので、ほとんど苦行だ。沖縄旅行のときは是非沖縄料理を楽しんでもらいたい。
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「本物の温泉」を考えるうえで、もうひとつ重要なことがある。それは温泉の鮮度である。生鮮食品ではあるまいし、と思う方もいるだろうが、じつは温泉はナマモノと同じで、新鮮さが良し悪しの決め手になるといっても過言ではないのだ。温泉に含まれている成分は、地上に湧きあがってきた段階で、空気に触れて酸化が始まるものもあるし、揮発していく成分もある。地中深くから地表に湧き出ていく過程で温度の変化が起こり、含まれている成分の構成が変わっていくこともある。また、時間の経過によって元の成分から変化することもある。温泉はまさにナマモノなのだ。そのナマモノである温泉を、こともあろうに、有名温泉地の源泉から何時間もかけてタンクローリーで運び、「天然温泉」と称しているところがあることは前述した。時間をかけて運んでくる途中で、いくら温度を保ったとしても、温泉成分の劣化は免れないのである。また、源泉を近くから引いているから安心かといえば、必ずしもそうとはいえない。大きな温泉地のなかには、温泉旅館やホテルなどの組合が中心となって、いくつかの源泉をある一ヵ所に集めてお湯を貯めて、加盟組合員の旅館やホテルに温泉を供給する「集中管理方式」を導入しているところがある。この集中管理方式は、経営的には源泉やお湯の管理がしやすいことと、温泉の状態を一定に保つことができるというメリットがある。しかし、集中管理方式はどちらかといえばデメリットのほうが大きい。というのは、集中管理方式は、それぞれの旅館やホテルがもっている個性を殺すことにつながるうえ、いったんタンクに貯めてしまうと、どんな源泉でも鮮度を失い、温泉の成分そのものが変化する可能性が高いからである。福島県や宮城県のとある有名温泉地では、湧出量の減少にともなって湯の取り合いが起こり、地元温泉組合による集中管理方式を取り入れた結果、そのような危惧する状態になっているようである。したがって、温泉がナマモノである以上、豊富な源泉をもっている温泉地であっても、管理方法が悪ければ、そのよさを十分に生かしきれないことを頭に入れておくべきである。そこで、オススメしたい温泉は、丹後半島にある夕日ヶ浦温泉だ。ここは管理もしっかり行き届いており、信頼がおける温泉だ。
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